十七条憲法の字数構成

 聖徳太子が制定したとされる十七条の憲法、その字数を数えるという暇人的な遊びをやってみた。ひょんなことから意外と何かが見えてくることもあるのだが、さてどうであろうか。

法隆寺

漢文については、『野口哲也のHP』に掲載されている「十七条の憲法」を、書き下し文につては『なんでもランキング』の「十七条憲法一覧表」を各々参考にさせていただきました。

一曰。以和為貴。無忤為宗。人皆有黨。亦少達者。是以或不順君父。乍違于隣里。然上和下睦。諧於論事。則事理自通。何事不成。字数構成。4-4-4-4-7-5-5-4-5-4)字数46。四文字ー6、五文字ー3、七文字ー1
一に曰く、和を以て貴しと為し、忤うこと無きを宗と為す。人皆党有り、亦達れる者少なし。是を以て、或いは君父に順わず、乍隣里に違う。然かるに上和らぎ下睦びて、事を論ずるに諧えば、則ち事理自ずから通ず、何事か成らざらん。

二曰。篤敬三寳。三寳者仏法僧也。則四生之終帰。萬国之極宗。何世何人非貴是法。人鮮尤悪。能教従之。其不帰三寳。何以直枉。字数構成。4-7-6-5-8-4-4-5-4)字数47。四文字ー4、五文字ー2、六文字ー1、七文字ー1、八文字ー1
二に曰く、篤く三宝を敬え。三宝とは仏と法と僧となり。則ち四生の終帰にして万国の極宗なり、何れのよ世、何れの人か、是の法を貴ばざらん。人尤だ悪しきは鮮し。能く教うれば之に従う。其れ三宝に帰せずんば、何を持以てか枉れるを直さん。

三曰。承詔必謹。君則天之。臣則地之。天覆地載。四時順行。万氣得通。地欲覆天。則致壊耳。是以君言臣承。上行下靡。故承詔必慎。不謹自敗。字数構成。4-4-4-4-4-4-4-4-6-4-5-4)字数51。四文字ー10、五文字ー1、六文字ー1
三に曰く、詔を承けては必らず謹め。君をば則ち天とし、臣を則ち地とす。天覆い、地載せて、四の時順り行き、万気通ずるを得るなり。地天を覆わんと欲せば、則ち壊るることを致さんのみ。ここをもって君言えば臣承わり、上行けば下靡く。ゆえに詔を承けては必ず謹め。謹まざれば自から敗れん。

四曰。群卿百寮。以礼為本。其治民之本。要在乎礼。上不礼而下非齊。下無礼以必有罪。是以群臣有礼。位次不乱。百姓有礼。国家自治。
字数構成。4-4-5-4-7-7-6-4-4-4)字数49。四文字ー6、五文字ー1、六文字ー1.七文字ー2
四に曰く、群卿百寮礼をもって本とせよ。そ民を治むるの本、要ず礼にあり。上礼ならざれば、下斉わず、下礼なければもつて必らず罪あり。ここをもって群臣礼あれば位次乱れず、百姓礼あれば、国家自から治まる。

五曰。絶餮棄欲。明辯訴訟。其百姓之訴。一日千事。一日尚尓。况乎累歳須治訟者。得利為常。見賄聴。便有財之訟如石投水。乏者之訴似水投石。是以貧民則不知所由。臣道亦於焉闕。
字数構成。4-4-5-4-4-8-4-4-9-8-9-6)字数69。四文字ー6、五文字ー1、六文字ー1、八文字ー2、九文字ー2
五に曰く、餐を絶ち欲を棄て、明かにして訴訟を弁ぜよ。それ百姓の訟は一日に千事あり。一日すら尚爾り、況んや歳を累ぬるをや。頃訟を治むる者、利を得るを常となし、賄を見てことわりを聴す。便財ある者の訟は、石を水に投ぐるが如く、貧しき者の訟は、水を石に投ぐるに似たり。ここをもって、貧しき民は則ち由るところを知らず、臣の道もまた焉に於いて闕けぬ。

六曰。懲悪勧善。古之良典。是以无匿人善。見悪必匡。其諂詐者。則為覆国家之利器。為絶人民之鋒釼。亦侫媚者対上則好説下過。逢下則誹謗上失。其如此人皆无忠於君。无仁於民。是大乱之本也。
(字数構成。4-4-6-4-4-8-7-11-7-9-4-6)字数74。四文字ー5、六文字ー2、七文字ー2、八文字ー1、九文字ー1.十一文字ー1
六に曰く、悪を懲し、善を勧むるは、古の良典なり。ここをもって人の善を匿すことなく、あくを見ては必ず匡せ。それに諂い、詐る者は、別ち国家を覆す利器なり。人民を絶つの鉢剣たり。また侫り媚ぶる者は、上に対いては則ち好んで下の過ちを説き、下に逢いては則ち上の失を誹謗す。それかくの如き人は皆、君に忠なく、民に仁なし。これ大乱の本なり。

七曰。人各有任掌。宜不濫。其賢哲任官。頌音則起。 奸者有官。禍乱則繁。世少生知。尅念作聖。事無大少。得人必治。時無急緩。遇賢自寛。因此国家永久。社稷勿危。故古聖王。為官以求人。為人不求官。
(字数構成。5-3-5-4-4-4-4-4-4-4-4-4-6-4-4-5-5)字数73。三文字ー1、四文字ー11、五文字ー4、六文字-1
七に曰く、人おのおの任あり。掌るところ宜しく濫れざるべし。それ賢哲を官に任ずれば、頌むる音則ち起り、奸者官を有つときは、禍乱則ち繁し。世に生まれながらに知るもの少なし。剋く念えば聖となる。事大小なく、人を得れば、必ず治まり、時急緩なく賢に遇えば、自から寛なり。此に由りて国家永久に、社稷危うきことなし。故に古の聖王は官の為に以て人を求め、人の為に官を求めず。

八曰。群卿百寮。早朝晏退。公事靡。終日難盡。是以遅朝。不逮于急。早退必事不盡。
(字数構成。4-4-4-4-4-4-6)字数30。四文字ー6、六文字ー1
八に曰く、群卿百寮早く朝り、晏く退れよ。公事はいとま靡し、終日にても尽し難し。ここをもって、遅く朝れば、急なること逮ばず、早く退れば、必ず事尽くさず。

九曰。信是義本。毎事有信。其善悪成敗。要在于信。群臣共信。何事不成。群臣无信。万事悉敗。
(字数構成。4-4-5-4-4-4-4-4)字数33。四文字ー7、五文字ー1
九に曰く、信はこれ義の本なり。事毎に信あれ。それ善悪成敗は要らず信にあり。群臣ともに信あらば何事かならざらん。群臣信なくんば、万事悉く敗れん。

十曰。絶忿棄瞋。不怒人違。人皆有心。心各有執。彼是則我非。我是則彼非。我必非聖。彼必非愚。共是凡夫耳。是非之理能可定。相共賢愚。如鐶无端。是以彼人雖瞋。還恐我失。我獨雖得。従衆同擧。
(字数構成。4-4-4-4-5-5-4-4-5-8-4-4-6-4-4-4)字数73。四文字ー11、五文字ー3、六文字ー1、八文字ー1
十に曰く、忿を絶瞋を棄て、人の違うを怒らざれ。人皆心あり、心おのおの執るところあり。彼是とするところ則ち我は非とし、我是是とするところ則ち彼は非とす。我必ず聖に非らず。彼必ず愚にあらず。とも凡夫のみ。是非の理、なんぞ能く定むべけん、相ともに賢愚なること、鐶の端なきが如し。ここをもって、かの人瞋ると雖も、還りて我が失を恐れよ。我独り得たりと雖も、衆に従って同じく挙え。

十一曰。明察功過。罰賞必當。日者賞不在功。罰不在罪。執事群卿。宜明賞罰。
(字数構成。4-4-6-4-4-4)字数26。四文字ー5、六文字ー1
十一に曰く、功過を明かに察して、賞罰必ず当てよ。頃賞は功においてはぜす、罰は罪においてはせず。事を執る群卿、宜しく賞罰を明かにすべし。

十二曰。国司国造。勿斂百姓。国非二君。民無兩主。率土兆民。以王為主。所任官司。皆是王臣。何敢與公。賦斂百姓。
(字数構成。4-4-4-4-4-4-4-4-4-4)字数40。四文字ー10
十二に曰く、国司、国造、百姓より斂とることなかれ。国に二君なく、民に両主なし。率土の兆民、王をもって主となす。任ずるところの宮司は皆これ王臣なり。何ぞ敢て公とともに百姓に賦斂せん。

十三曰。諸任官者。同知職掌。或病或使。有闕於事。然得知之日。和如曾識。其非以與聞。勿防公務。
字数構成。4-4-4-4-5-4-5-4)字数34。四文字ー6、五文字ー2
十三に曰く、諸のかんに任ずる者は、同じく職掌を知れ。或は病し、或は使して事を闕くることあらん。然れども、知ることを得るの日、和すること曾て識れるが如くせよ。それが与り聞くに非ずというをもって、公務を妨ぐることなかれ。

十四曰。群臣百寮無有嫉妬。我既嫉人人亦嫉我。嫉妬之患不知其極。所以智勝於己則不悦。才優於己則嫉妬。是以五百之後。乃今遇賢。千載以難待一聖。其不得賢聖。何以治国。
(字数構成。8-8-8-9-7-6-4-7-5-4)字数66。四文字ー2、五文字ー1、六文字ー1、七文字ー2、八文字ー3、九文字ー1
十四に曰く、群卿百寮、嫉妬あることなかれ。我既に人を嫉めば、人もまたわれを嫉まん。嫉妬の患い、その極を知らず。ゆえに智己れに勝れば、則ち悦ばず、才己れに勝るときは、則ち嫉妬す。ここをもって五百歳にて乃し今賢に遇うとも、千歳ににして一の聖を待つこと難し。それ賢聖を得ざれば、何をもってか国を治めん。

十五曰。背私向公。是臣之道矣。凡人有私必有恨。有憾必非同。非同則以私妨公。憾起則違制害法。故初章云。上下和諧。其亦是情歟。
(字数構成。4-5-7-5-7-7-4-4-5)字数48。四文字ー3、五文字ー3、七文字ー3
十五に曰く、私に背き公に向うは、これ臣の道なり。凡そ人私あれば必ず恨あり。憾あれば必ず同せず。同ぜざれば則ち私を以て公を妨げ、憾起れば則ち制に違い、法を害る。故に初の章にいう。上下和諧せよ、と。それまたこの情なるか。

十六曰。使民以時。古之良典。故冬月有間。以可使民。従春至秋。農桑之節。不可使民。其不農何食。不桑何服。
(字数構成。4-4-5-4-4-4-4-5-4)字数38。四文字ー7、五文字ー2
十六に曰く、民を使うに時をもってするは、古の良典なり。故に冬の月には間あり。以て民を使うべし。春より秋に至るまでは、農桑の節なり。民を使う可からず。それ農せずんば何をか食らわん。桑せずんば何をか服せん。

十七曰。夫事不可独断。必與衆宜論。少事是輕。不可必衆。唯逮論大事。若疑有失。故與衆相辨。辞則得理。
(字数構成。6-5-4-4-5-4-5-4)字数37。四文字ー4、五文字ー3、六文字ー1
十七に曰く、それ事は独り談ずべからず。必ず衆とともに宜しく論ずべし。小事はこれ軽し。必ずしも衆とすべからず。唯大事を論ずるに逮びては、若しは失あらんことを疑う。故に衆とともに相弁ずれば、辞則ち理を得ん。

一目見れば瞬時にわかるほど、四文字が圧倒的に多い。四文字熟語がそうであるように、語呂の良さから多用されやすそうではあります。

108ならば煩悩の数と一致して面白いのだが、+1の109とは。三文字と十一文字が、各々ひとつ。十文字のグループが0というのは、何か意味があるのか単なる偶然なのか。漢字に慣れた中国人から見れば、また何か気づくことがあるかもしれないが。

内訳は次のとおり。総字数834。三文字-1、四文字ー109、五文字ー27、六文字-12.七文字ー11、八文字ー8、九文字ー4、十一文字ー1計算は合ってるかな?

写真の花は、白木蓮。

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  • OUTDOOR+ says:

    近江観音正寺の道しるべ

    滋賀県の安土にある、観音正寺の道しるべです。聖徳太子が建立したという伝承を持つ、古いお寺です。人魚のミイラがあったとか・・・。人魚伝説は、また別の機会に。